以前にこのブログでも「自分がプロデュースしている曲からベスト3を挙げよ」というお題の中で挙げたけど、藤原ナオヒロの初期の作品に「遠い街で。」という曲があって、この曲は、いろいろと思い入れがあって、いまでもベスト3の座からハズれることはない。 この曲は、ある意味数奇な運命を辿った曲で、最初にリリースされたのは90年代、ある韓国人歌手に書き下ろし、韓国でリリースされた。歌詞は韓国語だったので、どんな内容か分からないけど、曲のタイトルが「Morning」だったから、きっと朝の歌なんだろう(なんとも身も蓋もない(汗))。 Morning 김병은 ←「遠い街で。」の原曲 私自身は韓国の芸能界とは縁もゆかりもなかったけど、歌ったのはファッションモデルとして日本に出稼ぎにきていた歌手志望のキムという青年で、たしか誰かの紹介で曲を書くことになった次第だったと思う。 彼は徴兵か何かで帰国して、自国でアルバムをリリースし、その中に2曲ほど私の曲が収められた(これが事後報告だったり…当時韓国では日本の文化が禁止されていた背景もある)、後々ややこしい問題に発展したりとかもするのだが、それはまた別の話)。 それから20年ほど経ったある日、藤原ナオヒロという青年をプロデュースすることになり、彼をデビューさせ、「さて、次の曲は何にしようかね」というタイミングで思い出したのが、この「Morning」だった。 等身大の藤原のイメージにあった日本語の歌詞を当て、「遠い街で。」というタイトルでリリースした。 この「遠い街で。」というタイトルは、キムが韓国でリリースする前のデモの段階でできていた日本語バージョンのタイトルでもある。 キムには悪いが、自分としては、藤原ナオヒロがこの曲を取り戻してくれた…そんな思い。 彼が唄って、はじめてしっくりとくる感じがする。 ホントはナオヒロのために書き下ろしたのに、時空の歪みで世に出すのを早まってしまったのではないか…そんな気持ちさえする。 まあ、そういう「背景と大意」的な話は別として、自分は純粋に楽曲としてこの曲が好きだ。 手前味噌だけど、「せつないけど前向き」…そんな空気感、世界観をうまく出せている曲だと思う。 「遠い街で。」は、現在、アルバム「 Colors of a dream 」に収録され配信中。