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5月, 2017の投稿を表示しています

反恋愛至上主義

随分前に 藤原ナオヒロのオフィシャルサイト のインタビューでも少し語ったことだけど、最初は全くプロデュースする気持ちなんて無くて、彼はさっさと田舎に帰ったほうが良い…と思っていた。 大志を抱いて田舎から出てきても、気がついたらやり直すには手遅れの年齢になって、惨めな人生を送っている奴、たくさん知っている。才能があれば必ず成功するってもんでもないし(そもそも「成功」ってなんだ?)、運を当てにするのはいいけど、他人の人生に責任なんて持てない。何の約束も保障もしてあげられない。 だから知り合ってから最初の一年間くらいは、一定の距離を持って見守っていた。安請け合いだけはするまい…と心に固く誓っていた。 結局は彼の「覚悟」のようなものを感じて、こちらも心を動かされ、本格的にサポートをするようになった次第だけど、やるからには彼にもいろいろな条件を課さなければならなかった。ここではその詳細を書くつもりはないけど、ひとつだけ明かすと「恋愛禁止」(笑)。 いまどきそんな前時代的な?と思われるかもしれないけど、実は意外とリアルに切実な問題だ。 実際問題、恋愛している時間ないでしょ?ってこと。それでも「ただの恋愛」のうちはいい。音楽のほうが優先順位が高いうちはね。ある程度まではこちらも見てみないフリはするつもり。 でも、「結婚」とかになってくると話は違ってくる。 結婚するということは「生活」していく、ということだ。生活のため、収入のために不本意な仕事を受けるようになるし、場合によっては自分のクリエイティビティに反することをしなければならなくなる。 (この時点で夢の方向転換をする輩がどんなに多いことか…) だいたい子供でも出来たら、いつの間にか子供優先、家庭優先になり、たくさんの「守るもの」に押しつぶされるようになる…そーゆー奴、たくさん見てきた。そうなったら目も当てられない。シアワセ一杯の子煩悩なマイホームパパになってしまったら、もう修復不能だ。 彼は「アーティストとしてやっていきたい」と言って僕のもとに来たのだから、それは守ってもらおう。こっちだって生活が懸かっているんだ。 「普通の人が手に入れられないものが欲しいなら、普通のシアワアセはあきらめて」 これが僕が彼に課した条件のひとつだ。 アーティストなら恋愛経験も必要なんじゃないの?と思う人もいる...

十年一日…

たぶん近いうちに HiroYuki.の『 Like and Love 』に続く第2段の新曲が Anpank and A Records よりリリースされる。 『Like and Love』はこちら 以前にも書いたが、HiroYuki.の一連の作品は約10年前にアレンジされレコーディングされたもの。大人の事情でリリースが見送られていたが、ここへきてやっと日の目を見ることになった次第…。 さて、今回の一連のHiroYuki.作品のリリースにあたって、全てレコーディングし直すという選択肢は無かった(汗)。予算的にもスケジュール的にも…。 ホントはヴォーカルも含め、全取っ替えしたいのが本音。おそらく本人だってそうに決まっている。打ち込みのスキルなんてそんなに進歩していないけど、やっぱりアレンジにもトレンドがあって、音色もちょっと古臭い。 『Like and Love』はBassだけは少し今っぽいカンジに差し替えた。あとはミックスで配信向きのバランスに整えマスタリングをした。当時のMIDIデータも残っていないし、時間的にそれが精一杯だった。 第2段となる『カレンダー』という曲も、せめてMIDIデータが残っていれば、全トラックの音色を差し替えたいところなのだけど、取り急ぎBassを差し替え、あとStringsは目立つパートなので、それも差し替えるつもり。 ホントはPianoもDrumsも差し替えたい…(涙)。ま、時間があれば。

I want you baby, tonight!

藤原ナオヒロとのプロジェクト(以下「Fプロジェクト」)では、初期の一部の曲を除いて、ナオヒロが歌詞を書き、自分が作曲と編曲をしている。 まずはたたき台となる歌詞をナオヒロが書き、あとは曲をつける段階でメロディに合わせて歌詞を調整していく…というプロセス。 たたき台を書く前に、曲の方向性や歌詞のストーリーの細かい設定まで打ち合わせておく。 これは予想していなかったことだけど、意外なことに彼は作詞が好きらしい。ヒマさえあれば取り憑かれたように歌詞を書いている。 まあ、それは良いのだが、クオリティにはまだムラがあって、たまにとんでもないフレーズを書いて来たりするので驚いてしまう。 いきなり「 I want you baby, tonight! オトコの性(さが)~ 」とか(汗)。アイドル時代の近藤真彦じゃあるまいし(笑)…もう自分の目を疑った。そして15分くらい腹を抱えて笑った。 たぶん、ボキャブラリの問題なんだろうな…。 最近、がんばってたくさん本を読むようにしているみたいだけど、語彙を増やすには努力しかないからね、頑張って。 これはあくまでも私の持論に過ぎないけど、歌詞は想像力と語彙さえあればいくらでも書ける。たとえば、彼は恋愛経験が浅いことをコンプレックスに思っているようだけど、プロのアーティストがみんな曲の数だけ恋愛をしているわけではない。そもそも、おのれの人生経験なんて、なんぼのもん? 小説家だって作詞家だって、みんな「リアルなフィクション」を書いて勝負しているのだ。 まあ、ナオヒロは想像力は豊かなほうかもね。あとは、自分が創造したストーリーがファンタジーなのかリアルなのか、自分でも混乱して分からなくなるくらいになれば一人前のアーティストだ(笑)。ま、言うは易しだけど。

トラックには歪みを。
サウンドには酸味を。

少しDTM作業の話などを…。 基本的にDAWはオケのアレンジ段階ではAppleのLogic pro Xを、ボーカルのレコーディングや最終的なミックスダウンではAvidのPro Toolsを使っている。その他、wavesのpluginなどを中心にあれこれ。 さて、wavesのpluginは、セールを利用してちょこちょこと購入したりしているのだが、4月のセールでNLSというpluginを購入した。 …ホントはもう少し前に買えていたら、『Colors of a dream』のミックスに間に合ったのになぁ…。 NLSの技術的なお話はここでは割愛するけど、ひとことで言えば、音にわずかな歪みを足してアナログっぽくするとでも言えばいいのか…。 友人(昔のバンド仲間)に薦められて購入したんだけど、いいわ、これ。本番で早く使いたい。 さしあたり、HiroYuki.の次の曲のリリースには間に合いそうだから使ってみるかな。 話変わって、藤原ナオヒロのフルアルバムを制作中だということは、前にも書いたけど、既にシングルでリリースしている『Not a chance!』や『Beginning』なども収録予定。もちろん、ミックスはやりなおすけど、『Beginning』に関してはボーカルも録り直したい。いや、絶対録り直させる。 あの曲は、いろいろと事情があって緊急にリリースしなければならなかったこともあって、比較的売れたわりには完成度がイマイチ。アレンジ的にもバックコーラスにかなり助けられている(汗)。ナオヒロ本人も録り直しには了承しているしね。 ナオヒロの新曲も制作中で(仮タイトル:Interest)、少し酸味の効いたアーバン&スタイリッシュ。でも、カッコいいエレピのフレーズが思うように弾けなくて、珍しく練習中(打ち込みなんか使わねーよ)。

「Anpank and A」という
レーベル名

「Anpank and A」レーベルはきわめて個人的なインディーズ・レーベルだ。だからとても貧しい(汗)。 制作にあまりお金をかけられないので、レコーディングからミキシング、マスタリングまで全て私のプライベートスタジオで自社完結させなければならない。 ついでに、私自身がグラフィック・デザイナーでもあるので、ジャケ写撮影からブックレットのデザインといったアートワークまで全てやっている。 もちろん、「趣味」や「お遊び」でやっているわけではないので、お金をかけるところにはかけなければならないけど、自力でできる部分は全て自力でやる。 そのかわり、外部からの干渉は受けないし、自分たちがやりたいことに忠実でいられる、という利点もある。 CDというメディアが売れない時代になって、配信という手段がメインになった今の時代、できるだけこじんまりと、小回りが利くほうがやりやすい。 …でも、ときどき息切れするわけですよ(笑)。 生きていくためには、ウチのレーベルの仕事だけしているわけにはいかないので、けっこうしんどいです。 せめてあと一人、手弁当で手伝ってくれるスタッフがいればなぁ…。 閑話休題。「Anpank and A」というレーベル名の語源。 藤原ナオヒロがデビュー前に受けていたボイストレーニングで、「アンパン、神田、アンコ~」と大きい声で何度も言う発声練習があった。 Anpan kanda....Anpank and a.... つまり「アンパン、神田」のアナグラムというわけ。ここだけのナイショということで。

Colors of a dream

…ということで、ブログの副題として「プロデューサー日誌」とすることにした。 考えてみたら、SNSではあまり音楽プロデューサー視点で何かを書くということをしていないし(むしろ避けている)、でも、記録として制作のプロセスを残しておくのもいいかな、と思って。 さて、2017年4月、藤原ナオヒロが初の CDアルバム をリリースした。デビューしてからずっと「配信」のみでやってきて、まあこれからも配信を中心にやっていくことは変わらないけど、やはりCDという物理的な実体があるというのはいいものだ。何より「親孝行」になる(笑)。ナオヒロの親御さん世代には、「配信」という怪しげなメディアはピンとこないらしい。CDを手にして初めて「ああ、息子はホントに東京で音楽をやっているんだな…」と実感されたことだろう。 今回のCD(タイトルを「 Colors of a dream 」という)は、アルバムと言っても、本格的なアルバムではなく、あくまでも実験的に制作したミニアルバム。現在、正式なフルアルバムは制作中だが、それとは別に、既に配信が終了している初期の楽曲3曲を何らかのカタチで残しておきたいというのもあって、1曲の新曲を追加してリリースした。 あと、AmazonのDisk on demandというシステムを利用するにあたって、ジャケットやブックレット(歌詞カード)も含めて製品としてのクオリティがどの程度のものか、試してみたかったというのもある。 つまり今回は検証的なリリース。 検証結果としては、プラス面、マイナス面、それぞれあるけど、まあだいたいは予想通りのクオリティだった。 あー、これは配送の問題だと思うけど、ウチに届いた製品のうち何枚かはケースが破損していました(もちろん返品、返金扱いです)。

テーマが決まらない。

昔、『禁煙日記』というブログをやっていた頃は、毎日書くことがたくさんあった。 今は無いなぁ…。 別に日常が平凡になったというわけではなく、たぶん日常ネタはTwitterやFacebookなんかで適度にアウトプットしちゃっているからなんだろうな…。 愛猫に関する話題も、ここで敢えてするほどではないし…。 まあ、そのうちに、ここのテーマも自ずと決まっていくことでしょう。 (たぶん、敢えてSNSではあまり触れない音楽制作の話とかになるような予感…)

こっそりと、ひっそりと…。

こっそりと、ひっそりと新しいブログを始める。 僕が何か独り言のようなことを言ったところで、誰も興味を持たないだろうけど、いいのいいの、ここは誰かに読んでもらうというよりは、覚え書き帳みたいなもんだから。 2014年から 藤原ナオヒロ というシンガーのプロデュースをしているけど、プロデュースというより「藤原ナオヒロ」という名のユニットを二人でやっている感覚。 彼はある意味、自分のアバター(分身)。こんなことを言ったら彼は嫌がるかもしれないな…でも、自分が表現したい音楽、世界観を彼の肉体を通して表現している…そんな感じ。大事に、大事に育てている、もうこれ以上はムリっていうくらいに(笑)。ちょっと過保護かも? もう一人、 HiroYuki. というシンガーソングライターもプロデュースしていて、最近、第1弾をリリースしたけど、実はHiroYuki.との関わりのほうがずっと古く、かれかれ10年以上の付き合いにはなる。 先日リリースした「Like and Love」も種を明かせばレコーディングしたのは10年前だ。 いろいろなことがあって(大人の事情的な)10年経って、やっとリリースできた、というのが正直なところ。HiroYuki.には失礼な言い方かもしれないが、まずは「在庫」を全て片付けてしまわないと、メンタル的にも前には進めない(汗)。「わだかまり」はもうないけど、本当の意味で真っさらなキモチで彼と向き合うには、僕にはもう少し時間が必要なのだ。 いや、HiroYuki.には感謝もしていて、10年前に奴とのプロジェクトが頓挫しなかったら、今の自分はいないと思う。たぶん藤原ナオヒロとも出会わなかっただろう。 そう考えると、いろいろと不思議。不思議な縁…。 でも、この全くタイプが異なる二人のアーティストと関われることは、ミュージシャンとして、とてもシアワセなことだと思っている。 僕のフィールドを広げてくれて、本当にありがとう。